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遺産分割協議と遺言書
被相続人の財産は、遺産分割協議を行った後、通常は法定相続分に従って各相続人が相続することになります。被相続人の財産が現金・有価証券のみの場合や、不動産を換価分割する場合は問題ありませんが、相続財産のうち不動産割合が多い場合は争いになることが多いです。
不動産を土地は財産評価基準、建物は固定資産税評価額で評価してしまうと、取り壊し前提の価値のない建物に価値が付いてしまったり、古家付きの土地が建付地(建付減価が発生している)ではなく、更地の価格で評価されてしまうことがあるので注意が必要です。
先日、遺産分割協議後に遺言書が出てきたケースの記事を見ました。コメンテイターは、遺言書ではなく遺産分割協議の内容を優先させることが多い、との回答でした。本当でしょうか?
遺言で不利益を被る相続人を救済する制度として遺留分がありますから、遺言書を優先させても問題はないと思いますが。少し首をかしげたくなる回答でした。
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遺留分と鑑定評価額
相続に関しては、相続人の利害関係が絡むため民法や税法、財産評価基準など細かく規定されています。従って、通常の相続の場合、大きな混乱は起こらないと考えられます。
但し、被相続人の財産が多い場合や財産に占める不動産割合が多い場合、相続人関係が複雑である場合などには争いがおこることがあります。
遺留分の場合、不動産の価格は財産評価基準による不動産評価額ではなく、実際の売買価格(実勢価格、時価)を基準に評価する、と定められており争いが起こるケースが多いです。財産評価基準による不動産評価額は実勢価格の8割で評価されており、遺留分を主張する相続人が不利であると主張されるようです。
このような場合、裁判になることが多いのですが、双方が不動産鑑定士による鑑定評価書を持ち寄り、裁判官の判決を青くことになります。遺留分の主張、そもそも被相続人の遺言により法定相続分をもらえない人に主張なので、激しい争いになることが多いです。