通常、遺産分割協議や遺言によって、被相続人の財産は相続人に分割されることになりますが、複数の不動産と現金・有価証券を分けて相続する場合は注意が必要です。
例えば、財産評価基準による相続税評価額が同じ相続不動産が3つあり、相続人がそれぞれ不動産を相続した場合、立地条件や将来性などで、それぞれの不動産の価値が必ずしも同じなるとは限りません。理由は、土地の相続税を計算する基準となる相続税路線価が通常、5000円刻みの価格であり、詳細な地域性を反映することが難しいことも理由だと考えられます。
また、不動産はA相続人、金融資産はB相続人とすると、財産評価基準で評価された土地は実勢価格の8掛けで評価されるため、場合によっては不動産を相続したAさんが著しく有利となることがあります。
最も、不動産を所有すると、固定資産税などの公租公課の負担や維持管理に手間とお金がかかるので、どちらが有利かは一概に言えないとは思います。
ですが、このようなことを念頭に遺産分割を進める必要はあると思います。